東方経済フォーラムの全体会合で、ロシアのプーチン大統領が、年末までに“北方領土の返還なしで”平和条約を結ぶことを突然言い出し、安倍総理が苦笑いをするものの特に反論を行なわないと言う事件が起きた*1。平和条約の重要性を強調する安倍総理のスピーチを逆手にとっておちょくられた分けだが、揚げ足を取られる可能性を考慮に入れてスピーチを作成しなかった安倍総理にも問題がある。 国辱感はあるが、おちょくられた事自体は、外交上の失点とは言えない。北方領土の返還にロシア側が消極的なのは、安倍外交のせいではない。誰が北方領土を返せと言っても、返還されることは無いであろう。しかし、西側諸国がロシアの超法規的な外交に苛立っているときに、安倍総理はロシア側と友好ムードを作ることに腐心して来たわけだが、成果がほとんど期待できない事は再確認された。 相手が喜ばない接待攻勢ぐらいであれば損失も大きくは無いが*2、日ロ経済協