韓国の大法院(最高裁)が元徴用工の賠償請求を認める判決を出したことで、またもや日韓関係が揺らいでいます。1965年の請求権協定で「(強制動員の被害補償は)完全かつ最終的に解決済み」というのが日本政府の立場で、河野外相が「両国関係の法的基盤が根本から損なわれた」と批判するのも当然でしょう。 国際政治では長らく、リアルポリティクス(現実主義)とリベラル原理主義が対立してきました。典型は核兵器問題で、リアルポリティクスの論者(大半の国際政治学者)はゲーム理論に基づき、米ソいずれも相手を確実に破滅させられる核兵器を保有する「相互確証破壊」こそが平和を維持しているとして、中途半端な軍縮交渉を批判してきました。それに対してリベラル原理主義は、こうした賢しらな論理を嫌悪し、核兵器は「絶対悪」なのだからどんなことをしてでも全廃しなければならない、と主張します。 こうした対立は、日本では沖縄問題で顕著です。
参政権が18歳に引き下げられたことで注目された参院選ですが、結果は事前の予想どおり自民・公明の与党で過半数、非改選を含めれば改憲勢力が憲法改正を発議できる3分の2を確保しました。1人区などで民進党が予想以上に健闘したことで安倍政権に対する一定の批判があることも明らかになりましたが、今回の選挙は「アベノミクス」と「改憲」をテーマに争われたとのことですから、“民意”は安倍政権の経済運営を評価し、憲法改正の手続きに入ることを承認した、ということになるのでしょう。国会前で「民主主義を守れ」と叫んでいたひとたちは、民主的な選挙による審判を尊重しなければなりません。――まあ、無理でしょうけど。 日本の戦後政治を大きく変えたのが民主党の「政権交代」であることは間違いありませんが、安倍政権以降は自民党が与党第一党、社会党が野党第一党で低位安定していた55年体制と似てきているようです。このままでは野党は、共
山中伸弥京都大教授のノーベル医学生理学賞受賞に日本じゅうが湧くなかで、iPS細胞を使った世界初の臨床実験の“大誤報”もたいへんな騒ぎになっています。しかし、マスメディアの誤報というのはそんなに珍しいものなのでしょうか。 そんなことを考えていて思い出したのが、2009年1月に世を騒がせた「かんぽの宿」問題です。かんぽの宿は簡易保険加入者のための宿泊施設でしたが、赤字経営の恒常化で小泉―竹中時代の郵政民営化で売却対象とされ、日本郵政の西川善文初代社長(元三井住友銀行頭取)のときに、土地・建物と従業員の雇用継続込みでオリックス不動産に109億円で事業譲渡されることが決まります。 しかしその後、麻生内閣の鳩山邦夫総務大臣が、「2400億円もかけて取得した施設を109億円で売るのはおかしい」といい出し、それを機に、当時、総合規制改革会議議長だった宮内義彦オリックスグループCEOに国の大切な資産を安売
「 “モテキ”はなぜやってくるのか?」で“つながり”について書いたが、私たちはいったいどのようにつながっているのだろうか? ここでは、それを可視化してみよう。 以下の3枚の図版は、いずれもニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』に掲載されているものだ。 1枚目は、白人生徒が大半を占めるアメリカ中西部の中規模高校(仮名で「ジェファーソン高校」)のセックス相関図だ。 色の濃い点が男子、色の薄い点が女子で、複数の異性とつき合っている場合は2方向(もしくは3~4方向)に枝が伸びている。 これを見るとわかるように、枝の末端にいる生徒を除けば、すべての生徒が複数の異性と性関係を持っている。でもこれは、「アメリカの高校は風紀が乱れている」ということではない。 そもそもなぜ、社会学者がこのようなセックス相関図を描くことができたのだろうか? それはこ
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