📖 「害虫」という概念がなかった頃のご先祖様はどうしてた!? 気や相の变化(へんげ)が姿かたちを取る自然発生説の世界に、今で言う「害虫」という概念は通じない。 食物が豊富で冬でも暖かな家でなければ、ゴキブリは定着することができない。そのような家が増えたのは、日本では高度経済成長以降のことなのである。 かつてゴキブリは豊かさの象徴だったという説さえある。群馬県高崎地方ではチャバネゴキブリを「コガネムシ」と呼び、野口雨情の童謡で「コガネムシは金持ちだ」と歌われたのは、この虫のことなのだ。 移動式の焼畑農耕では、害虫の大発生が回避されてきた。人間が「害虫」に悩まされるようになったのは、同じ農作物を毎年同じ場所で栽培する定住型農耕が確立してからのことになる。 明治時代、マラリアが問題となっていた地域が沖縄・台湾以外にもう一ヶ所あった。それは極寒の地、北海道である。アイヌの言い伝えによれば、北海道