伊藤氏は『伊藤Pのモヤモヤ仕事術』(集英社新書)の中で、「上に立つものは媒介者であれ」と書いている。プロデューサーとは、番組の中に自分が自分がと“我”をにじませることではなく、タレントとスタッフの力を最大限引き出せればいいとしている。「モヤさま」では、「さまぁ~ずをどう生かすか」ということだという。 「モヤさま」は、北新宿や新井薬師前といったテレビ番組ではあまり取り上げられることのない街、ハワイや日光などの有名な街のあまり知られていない場所を歩きながら、地元の人や街にある変わった店、スポットなど、3人が“モヤモヤする”ことにツッコミを入れながらブラブラする番組。「街をぶらぶら歩く」ことだけが決まっており、中身は出演者任せ。だからこそ、いかに「気持ちよく現場で活躍してもらう」かがカギを握っているようだ。 ――「モヤさま」はどのように撮影しているのですか。 大まかな場所と、どこに行くかはあらか