若者たちが、自分たちの暮らす社会の(ある程度の)公正さを信じていないような国が、まともな経済成長を持続できるはずはないし、そういう国で育った子供たちが、まともな大人に成長するはずもないからだ。 うちの国は、どうやらそういう国になりつつある。 というのも、子供たちに「社会のあり方」を教える最も身近な教材は芸能界であり、若い人たちが、自分たちのロールモデルとして最初に思い浮かべる人間は、スターやアイドルだからだ。 思うに、所属事務所からの独立を「恩知らず」「裏切り者」の所業と見なされて、業界から干され、自分の本名さえ名乗れない中での不自由な芸能活動を続けている「のん」こと能年玲奈ちゃんの苦境や、25年間にわたってトップスターの地位を守り続け、事務所に多大な利益をもたらしたにもかかわらず、事務所内の派閥争いのとばっちりを受けて、テレビカメラを前にしての理不尽かつ屈辱的な謝罪を強要されたあげくに、