第5回 がんは、最期まで自分らしく生きることが可能な病気 2019/8/27 津金昌一郎=国立がん研究センター 私たちが今後の人生について考えるとき、「長さ」だけでなく「中身」、つまり健康寿命(介護を受けずに過ごせる期間)も重要になります。では、日本人の最大の死因「がん」は、介護につながる大きな原因になるのでしょうか。国立がん研究センターの津金昌一郎さんは「がんが原因となり介護になることは相対的に少ない」と話します。今回は、「高齢者ががんで死ぬのは、必ずしも悪いことではない」と話す津金さんに、その理由を語っていただきました。 前回、がんは加齢に伴い発生しやすい病気であり、長生きすればするほど罹(かか)りやすくなるということを紹介しました。すなわち、人生の長いスパンで考えると、がんにならないことはとても難しくなるため、がん予防の基本は、がんになるのを先延ばしすることにあると考えています。そこ