前回は、学力格差が生まれるメカニズムとして、「マタイ効果」という言葉を紹介しました。これは「有利な人はますます有利に、不利な人はますます不利に」という好循環・悪循環のプロセスが、初期段階の小さな格差を、時間の経過とともに大きな格差に拡大・増幅させる現象を指す概念です。 今回はこのマタイ効果のうち、悪循環(負のスパイラル)の現象について考えてみたいと思います。マタイ効果の悪循環のメカニズム、つまり「低学力→授業が分からないから学習意欲が湧かない→勉強しないからますます学力が低くなる」というような負のスパイラルの現象は、全ての子どもに一律に生じるものなのでしょうか。結論から述べると、こうした悪循環にはまりやすいのは、教育的資源の少ない低SES(社会経済的背景)層の子どもであると主張したいと思います。 ある市内で得られた学力調査データを筆者が分析したところ、次のことが明らかになりました。すなわち
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