【カイロ=佐藤貴生】ローマ教皇フランシスコ(84)は8日、歴代教皇として初のイラク訪問を終えた。紛争やテロが絶えず、新型コロナウイルス感染が拡大する同国への訪問を懸念する声もあったが、予定通り5日から現地入りして宗教間交流などの行事をこなし、少数派のキリスト教徒を含む多宗派の共生を訴えた。 教皇は7日、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が2014~17年に実効支配した北部モスルを訪問し、「希望は憎しみより強く、平和は戦争より強い」と述べ、ISに殺害された住民らに祈りをささげた。 この後、北部アルビルのスタジアムで約1万人のキリスト教徒を前に締めくくりとなるミサを行った。国内に約150万人いたとされるキリスト教徒は、03年のイラク戦争を受けて台頭した国際テロ組織アルカーイダ系やISなどの迫害を受けて国外に避難し、30~40万人に減ったとされる。 教皇は6日にはユダヤ教、キリスト