運動療法は、正しく行えば糖尿病改善のための有効な治療法ですが、誤って行うと十分な効果が得られないだけでなく、病状を悪化させることや、膝や腰を痛めるなど、健康を害する恐れがあります。患者さんにとって運動は、やり方次第では、薬にも毒にもなり得る「諸刃の剣」の性格を持ちあわせているのです。 そのため、運動をして良いかどうかや運動の強度を決めるためには、メディカルチェックを行います。メディカルチェックによって、患者さんの病状や合併症、併発症などをしっかり把握し、運動に伴うリスクを避けるよう配慮をしたうえで、個々の患者さんに合った運動プログラムを積極的に指導することが大切です。 そこで、本連載の第2回では、「運動療法の適応や禁止」や、「運動療法開始にあたって行うメディカルチェック」について触れていきます。 発症間もない2型糖尿病患者さんや耐糖能異常(IGT)の方では、食事療法と運動療法を併用して行う