研究の背景 新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質に対するmRNAワクチンは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に有効です。これらのmRNAワクチンは、ウィルスのスパイクタンパク質に特異的な液性免疫と細胞性免疫を誘発します。細胞性免疫応答には交差免疫があるため、液性免疫よりもSARS-CoV-2の変異型に対する防御効果が高い可能性があります。そのため、このような細胞性免疫応答をより正確に理解するためには、ウィルス感染細胞を認識して排除する特異的なCD8+ T細胞の応答を包括的に解析する必要があります。しかしながら、スパイクタンパク質に特異的なT細胞受容体(TCR)を持つクローン集団はCD8+ T細胞中のごく一部であり、mRNAワクチン接種で誘導されるスパイクタンパク質特異的なT細胞応答のクローン解像度での解析は行われてきませんでした。 本研究グループは、以