「鯨缶タンク」撤去へ 水産加工会社、被災者感情に配慮 撤去が決まった鯨大和煮の缶詰をデザインしたタンク 東日本大震災の津波で流され、宮城県石巻市の県道に横倒しとなっていた缶詰をかたどった巨大なタンクが、今月末から解体されることになった。保存を求める声もあったが、所有する水産加工会社が被災者感情に配慮して撤去を決めた。 「木の屋石巻水産」の本社工場正面にあった鉄製タンクは高さ10.8メートル、直径9メートルで、飼料用の魚油タンクとして使用されていた。2007年に鯨大和煮の缶詰のデザインに塗り替えられ「世界一の鯨缶」として観光客らに親しまれていた。 震災で津波の直撃を受け、約300メートル離れた県道石巻女川線の中央分離帯に流れ着いた。震災遺構として注目されたが、被災者から「震災を思い出すので見たくない」との声も寄せられた。 解体したタンクの一部は、同社が市内と宮城県美里町に建設予定の工場