2022年後半から急速に進化し続け話題の「生成AI」とは、人工知能(AI)を用いてクリエイティブな成果物を生み出す機械学習モデルで、誰もがプロ顔負けのクオリティの画像を作成できる。だが一方で著作権などの法的問題が懸念され、クリエイターの存在意義が問われるなど、黎明(れいめい)期だけにさまざまな議論を呼んでいる。日本が誇るクリエイティブのひとつ、マンガ制作に携わる人々の声を聞き、その可能性と課題を検証する。 制作現場におけるAIの波紋 近年、AI技術がさまざまな分野に応用されるようになった。その波は「ビジュアル表現」の分野にも及び、誰でも簡単にクオリティの高い画像を生成できるサービスが各社より公開されるようになっている。 AIを使えば、高度な技術が必要だった表現が、誰にでもできるようになる。つまり「ビジュアル表現の民主化」が進む、という期待があるいっぽうで、「クリエイターの職を奪う」という危
「研究開発が一部の組織の寡占状態にあることは健全とは思えない」――。 米OpenAI(オープンAI)の「ChatGPT」など大規模言語モデル(LLM)が注目を集める中で、国立情報学研究所所長で京都大学特定教授の黒橋禎夫氏が2023年9月27日、「日経クロステックNEXT 東京 2023」(主催:日経BP、東京国際フォーラム)に登壇し、「OpenAIはもはやオープンではない」とLLM研究の課題を指摘。その上で日本の取り組みを紹介した。 自然言語処理研究は、一貫して機械翻訳向け 黒橋氏は「生成AIの仕組みと社会へのインパクト、データ基盤から知識基盤の時代へ」と題して基調講演を行った。まず自然言語処理の研究の歴史から、ChatGPTをはじめとしたLLMの影響について語った。 自然言語処理の研究はコンピューターの利用が始まった1940年代半ばから始まり、「一貫して機械翻訳がキラーアプリだった」と黒
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