やっぱりニアミスしかけた身としてはちょっと気になるところなので、各誌の報道を見て、少し秋葉原の事件について考えてみる。 そもそもこの事件は、あまりにも阿部和重の小説『ニッポニア・ニッポン』みたいで気味が悪い。聞いた話では、阿部和重の『シンセミア』は、渋谷にダンプカーで突っ込むのだから、まさにそのままだ。 だけどもちろん小説の描いたものと、違うところもたくさんある。 その筆頭としては、犯人の内面と、それ以外の社会との間に、完全に「壁」が出来てしまっていることが挙げられるのではないか。 ただ、「壁」といっても、「壁」が何なのかという意識すら消えうせてしまっている。たぶん、犯人は「壁」があることすら気がついていない。 それゆえ、「どうせ殺すなら金持ちを」などというウェブで叫ばれるような「格差社会への異議申し立て」や、「国会を襲って革命を」などといったテロリスト的な視点、すなわちある種超越的な視点
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