《「僕は完璧なのに」、「女はみな殺してやる」……米連続殺傷事件、「非モテ」男の語り残したこととは》(NAVER まとめ) この事件をめぐる議論が、あまりにズレている。 女性嫌悪と人種差別を規範的に説教し、 「良心的な知識人」のポーズを誇示して終わっている。*1 私はこの容疑者の言動を容認も肯定もしない。しかしみずからの規範的優位を示したところで、状況改善には役立たない。 容疑者の女性嫌悪と人種差別は、自己救済の回路として持ち出されている。他者からの性愛的承認に絶望し、そもそも他者を必要としない承認の回路をでっちあげること。――こういう回路を始めてしまえば、もはや説教には意味がない。それどころか説教は、断念と殺意の温床になる。*2 ドヤ顔の規範談義は、弱者を見下す文化を強める。それで環境を変えようとするのは、「自分だけは正義の味方」というナルシシズムを、問題への取り組みと勘違いすることにすぎ