このシンポジウムは製造業の実務に携わる方を、主な対象として想定して、講演プログラムを依頼してきた。ところで、いまさらだが、これは本当に正しかったのだろうか? というか、想定として十分だったのだろうか、という疑問が頭に浮かんできた。IT業界にいるエンジニア達も、MESシンポジウムの聴衆として考えるべきだったのではないか? というのも、この種のシステムを構築する仕事は、通常、製造業の中だけで内製することは難しいからだ(よほどの大企業は別として)。当然ながら、外部のITエンジニアの力を借りる必要がある。良く知られているように、わたし達の社会では、ITエンジニアの7割はIT業界にいて、ユーザ企業には3割しかいない。その3割の人員も、殆どは本社にいて、人事・財務・販売そしてITインフラ系などの業務に従事している。