「私の人生、このままここで終わるのかな」 女性は、部屋のすみでひとり、何度もそんなことを考えました。 息子のことを、愛している。息子は、変わらず今のままでいいと思っている。 それでも「母親」として生きる毎日の生活が、苦しくて、苦しくて、しょうがないと感じていたのです。 都内に住む山本美里さん(43)は、中学生から大学生まで、4人の子どもを育てる母親です。 以前は子どもを保育園に通わせながら、輸入雑貨を扱う企業で働いていました。 フルタイムの仕事にやりがいを感じ、働くことが“自分の人生を生きている”というモチベーションにもなっていたと言います。 しかし、重い障害がある次男の瑞樹さんが生まれてから生活は一変しました。 夫も一時、仕事を休みましたが、出張で家にいられないことも多く、山本さんが仕事を辞めざるをえませんでした。 ほぼひとりで、瑞樹さんの通院や看護、ほかの子どもたちの育児に追われる日々