秋の夜長、どう過ごされていますか? 温かいミルクティーでも片手に、眠る前のほんのひと時を ゆったり過ごすのに、読書は最適です。 ちょっと不思議で温かいストーリー、 「雲と鉛筆」(吉田篤弘)をご紹介します。 鉛筆工場で働いている「ぼく」は屋根裏部屋に住んでいます。 毎日、雲の絵を描き、遠い街に住む姉に手紙を書き、 散歩をする・・・ 登場人物は いつも人生の話ばかりをしている友達「人生」、 利便性を追求した商品を売り歩くセールスマンの「ジュットク」 気が短いけれど腕は確かな理容師の「バリカン」 いつも眠気を我慢している茶葉の店の店員「アクビ」。 これは小説のようで小説ではなく、 詩のように美しい文体で語られる いわゆる哲学書のようなものなのかもしれません。 あらすじだけを追うのなら30分ほどで読めてしまうでしょう。 でも、それぞれの登場人物が語る言葉のひとつひとつに 立ち止まり、自分に問いかけ