読書家の中でも「重い・長い・難しい」と厄介なイメージで敬遠されることも少なくないロシア文学。 でもそれ、本当にそうなのでしょうか? 氷の杭で打つと歌い出す心臓、クローンの身体にたまる青い脂、主人公の顔がXXXに!? 等々、ぶっ飛んだ展開をみせる作品の数々が表すように、かつて政治・哲学・宗教のすべてを集約し、いわば社会を映す鏡であったロシア文学は、いま新たな流れへと向かいつつあります。 今回はロシア文学者である沼野充義氏、松下隆志氏と、ロシア文学に興味はあるけれど詳しくはない池澤春菜氏の3人が、ロシア文学の成り立ちから、バックボーンとなる歴史や政治、そして新鋭の近代作家と作品紹介などを通して、その魅力を探ります。 池澤: まずアンケートを取りたいと思います。そもそもロシア文学は好きですか? 好き32.8%、苦手16.5%、読んだことがない50.7%松下: 半分は「読んでない」。 池澤: え〜
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