日本のゲーム批評を集成した「ゲーム批評アンソロジー」でもある一冊新曜社から刊行された『日中韓のゲーム文化論』は、副題に〈東アジア・ゲーム批評〉とあるように、日本、中国、韓国の研究者によるゲーム批評18本を収録した論文集だ。 本書のタイトルを目にした際に、「日中韓」という括りにまず目が向くのは当然だろう。だが本書はそれだけでなく、1980年代から現在(2020年代)までの日本のゲーム批評を集成した「ゲーム批評アンソロジー」である点も大きな特徴だ。この2つの特徴は、本書の成り立ちが深く関係している。 まえがきによると、本書は中国で2020年に出版された日本のゲーム批評アンソロジー『探寻游戏王国里的宝藏──日本游戏批评文』を基盤として、そこに韓国と中国の最新ゲーム研究論文を追加したものだという。具体的には、本書第1部の日本パートに10本、第II部の中国パートに5本、第III部の韓国パートに3本の
![40年間の日本ゲーム批評と中国・韓国の最新ゲーム研究を集大成した書籍『日中韓のゲーム文化論』が興味深い。東アジアのゲーム文化を下支えしている、レベルの高い「知のバックボーン」の存在を実感する内容](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6e73cdcd597a6c4e58a8cd7a0774d2bbb797ec07/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg-denfaminicogamer.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F06%2Fbunkaron.jpg)