大雪の影響で、関東地方の山間部では十九日も孤立状態が続いた。被害が深刻な埼玉県秩父市の大滝地区のうち、中津川・中双里(ぞうり)の二集落では、計三十七世帯五十三人が孤立したままだ。集落へ続く道には降り積もった雪に雪崩が重なり、高さ五メートルにも達している。土木業者が除雪作業を続けているが、孤立解消の見通しは立っていない。 (羽物一隆) この二集落は北が群馬県境、南西が長野県境という埼玉県最西部にある。集落まであと約八キロという地点にある「大滑(おおなめ)トンネル」付近で、除雪を進めている土木業者の作業を取材した。 トンネルまでの県道は、車一台が通れるようになっていた。しかし、トンネルに入っても、集落側の出口は高さ五メートルの雪の壁にふさがれていた。現場の除雪を担当するサンセイ(本社・秩父市)の斎藤収(おさむ)さん(48)が十八日、雪の壁を歩いて登り、集落方面の様子を調べたところ、三百メートル