ピーター・ドラッカーは「企業の基本的な機能はマーケティングとイノベーションの2つしかなく、そのほかはすべてコストだ」と言った。多くの企業は「イノベーションが生み出せない」ことを、自社の課題だと思い込んでいるのではないだろうか。 しかし本当の問題は、社内でせっかく生まれた「イノベーションのタネ」を潰してしまう、企業内のシステムにこそ潜んでいるーー。 イノベーションの生み出し方を体系化し、物語形式で解説する『ザ・ファースト・ペンギンス 新しい価値を生む方法論』の著者・松波晴人氏(大阪ガス行動観察研究所・所長)に、「イノベーションをちゃんと生み育てる方法」を聞いた。 真の新事業は「理解されない」 ── 松波さんは「どのようにイノベーションを起こし、新しい価値を生み出すのか」という発想の方法論と同じくらい、「その発想を組織の中でどのように実現させていくか」ということに重点を置かれていますね。 松波