高知県香南市に伝わる幕末の絵師、金蔵(きんぞう、通称・絵金)の屏風(びょうぶ)5点が熊本市現代美術館の借用中に変色した問題で、変色を防ぐため特別な防虫処理が必要な文化財との説明を同美術館が運送業者側に怠っていたことが4日、同美術館などへの取材で分かった。 同美術館などによると、美術館は香南市からの屏風配送と防虫処理を日本通運熊本支店に一任。同支店は防虫処理を別の取引業者に頼んだが、この業者は文化財という認識がないまま、梱包(こんぽう)された状態の屏風に不適切な薬剤を使用、屏風の顔料と化学反応を起こして変色したとみられる。 同美術館は「実績がある日本通運を信頼していた。情報伝達に不備があったかもしれない」と話している。