元自民党職員・議員が明かす。1億円超「選挙買収」の実態。/文・赤石晋一郎(ジャーナリスト)+本誌取材班集票マシンとしての地方議員時は衆院選を間近にひかえた2014年11月末のことだ。京都市中京区にある自民党京都府支部連合会(以下、京都府連)4階にある会議室には、選対会議に招集された50人ほどの府議、市議が落ち着かない様子で待機していた。 名前を呼ばれると、彼らは1人ずつ3階の役員室に消えていく。 「〇〇先生からだ」 ソファにどっかり座った府連幹部はそう念押しすると、白封筒を手渡す。神妙な面持ちで封筒を受けとった議員は、領収書にサインすると、封筒を懐にねじ込む。手際よく配られる白封筒、そして阿吽の呼吸で懐に収める地方議員たち。 京都府連において国政選挙前の“恒例”となっている、この密室のやりとりが公になったことは一度もない。なぜならば白封筒には50万円が包まれており、それは「選挙買収」の資金