効率よく高品質で安全な医療を提供するために 2008年4月、「第5次医療法改正」が施行された。医療制度全体に影響を及ぼす規模の医療法の「大改正」としては、1948年の医療法施行以来5回目。それぞれの改正の内容から、適切な医療を提供するための方法論が変遷している様子が見て取れる。 第1次医療法改正(1985年)では、医療費抑制への試みとして「病床数の抑制・削減」が実施された。1970年代から増え続ける医療費が既に大きな問題となっていたことが背景にある。しかし、単純な病床数の削減では、社会の高齢化や疾病構造の変化に対応できなかった。その後、第2次改正(1992年)以降、医療施設の機能分化による診療効率向上への試みが始まった。医療施設単位での機能分化は、医療施設間での機能連携を行うことが前提となる。第3次改正(1997年)、第4次改正(2001年)においてさらなる機能分化が進められると同時に、「