中条省平「小説家になる!ー芥川賞・直木賞だって狙える12講」(ちくま文庫)を読んだ。創作学校創作科の講義をまとめたものというだけあって、具体的で有益だ。本の副題が誇張でないと思わせられた。 この第5講が大変! 門田泰明の「黒豹ダブルダウン」(光文社文庫)を反面教師のテキストにして悪い例を逐一指摘している。これを読んだら門田がうつ病になってしまわないか心配した。断筆しても不思議ではない。 まず門田泰明の小説から。 暮れなずむ春の日、鏡のように凪いだ海は、大小百二十余の島々を静かに呑み込んで、黄金色に輝いていた。 夕日は、はるか彼方の海に半ば沈み、紺碧と紅の混じり合う空に向かって、目の眩むような幾条もの輝きを、放射状に放っている。島々の小さな湾にひっそりとへばり付く村々は、その金糸銀糸を浴びて、神々の里にふさわしい高貴な装いを見せていた。 やがては、夜の帳が降りようというのに、どの村々にも、潮
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