ヒドロゲナーゼ (hydrogenase) は、分子型水素 (H2) の可逆的な酸化還元反応を触媒する酵素である。この酵素は嫌気性代謝において重要な役割を果たしている。 ヒドロゲナーゼが触媒する水素酸化反応(2 H+ 生成) (1) は、酸素、硝酸、硫酸、二酸化炭素、フマル酸などの電子受容体の還元と対応する反応である。一方、プロトン還元反応(H2 生成) (2) は、解糖系におけるピルビン酸の発酵や、過剰電子を処理する過程で不可欠な反応である。ヒドロゲナーゼに対して生理学上の電子供与体 (D) もしくは受容体 (A) として作用することが可能である物質には、フェレドキシンやチトクロムc3、チトクロムc6 などのタンパク質や低分子化合物がある。これらの関係を反応式に表すと以下のようになる。 H2 + Aox → 2 H+ + Ared (1) 2 H+ + Dred → H2 + Dox (
2014年6月4日、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER) 触媒的物質変換研究部門 部門長である小江 誠司教授の研究グループは、ドイツ学術雑誌『Angewandte Chemie International Edition』オンライン版に研究成果を発表しました。 ■概要 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)/大学院工学研究院の小江誠司教授らの研究グループは、名古屋大学の研究グループとの共同研究により、燃料電池のアノード(図1)として一般に使用されている白金触媒の能力をはるかに超える水素酵素(ヒドロゲナーゼ(図2))S–77電極の開発に成功しました。ヒドロゲナーゼは鉄とニッケルを活性中心として持つ金属酵素で、白金と同様に水素から電子を取り出し、白金に優る能力を持つと期待されていました。しかし、酸素に対する不安定さにより燃料電池への応用
九州大学広報室 〒819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp PRESS RELEASE(2014/06/04) URL:http://www.kyushu-u.ac.jp ■背 景 水素(H2)と酸素(O2)から電気エネルギーを作り出す水素–酸素燃料電池は、廃棄物として水(H2O) しか排出しないことから、クリーンな次世代発電デバイスとして期待されています。しかし、電極触媒には 高価かつ枯渇性の白金が使用されており、その代替触媒の開発が待たれています。自然界では、水素酵素(ヒ ドロゲナーゼ)が常温常圧の温和な条件で水素から電子を取り出しており、その能力は白金をはるかに超え ることが知られています。そのため、燃料電池の電極触媒としてもヒドロゲナーゼの利用が期待され
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く