エロカルチャー 2009年11月02日 よしながふみの『大奥』という作品を、ドラマ『大奥』のマンガ化だとカン違いしている方はいないだろうか。私は一巻が出たときに一瞬そうカン違いしそうになったが(帯を読んで違うと気づきました)、読んでますます、それがとんでもないカン違いだとわかり、あまりの衝撃に戦慄した。ドラマ『大奥』どころか、ここには今まで誰も読んだことのないであろう『大奥』の話が描かれていたからだ。 物語は六代将軍・徳川家宣の時代から始まる。しかし、この物語の中で家宣は「男」ではなく「女」で、「大奥」というのは女がたくさんいる場所ではなく、将軍の夜の相手を務めるための「男」がズラリと揃った場所なのである。 なぜこんなことになっているのか。 田舎で熊に襲われた少年が発症したのをきっかけに、天然痘に似た「赤面疱瘡」という伝染性の病気が流行る。なぜかこの病気は、男、しかも主に若い男にしか伝染し