【イスタンブール=奥田哲平】サウジアラビア政府に批判的だった著名記者ジャマル・カショギ氏の殺害疑惑でトルコのエルドアン政権の老練な駆け引き外交が際立っている。サウジや米国が殺害疑惑や政府関与を否定すると、その主張を打ち消すようなトルコ側の捜査情報がメディアで流れる構図。情報戦で圧力をかけ、政治決着を有利に運ぶ狙いが透ける。 今月二日にカショギ氏が行方不明になって以降、トルコ捜査当局は一切公式な発表をしていない。殺害疑惑の展開は、トルコ側の匿名の情報源を基にした報道先行で進み、結果的にサウジ政府への不信感が募る国際世論が形成されている。 現地記者は、本紙に「政府は報道機関を選別し、意図的に情報をリークしている」と指摘。米紙ワシントン・ポストは十七日、容疑者の素性を報じる中で、トルコ当局から容疑者のパスポートの写しの提供を受けたと明らかにした。 一方、エルドアン大統領は「わが国で起きた出来事だ
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