温度を100℃以上に加熱した「過熱水蒸気」を用いてお米を炊くと、米粒内が小さな空洞をもつ多孔質の構造になることを大阪公立大学などのグループが明らかにした。電気炊飯器で炊いたご飯より冷蔵保存時に硬くなりにくく、おいしさを保つことを官能検査で確かめた。食べるまでは冷蔵庫に入れておきたい寿司などに向けた炊飯方法の開発につながるという。 電気炊飯器(左)と過熱水蒸気で炊いた米。見た目は変わらないが、走査電子顕微鏡像(下)だと過熱水蒸気ではより多孔質になっている(大阪公立大学の石橋ちなみ講師提供) ご飯は冷たくなると硬くなって粘りがなくなる。米が加熱によってデンプンと水が結びついて「α化」した状態だったのが、水が抜けてデンプンが「β化」し、ボソボソになるからだ。家庭でご飯を保存する時には小分けしてラップに包んで冷凍する方法もあるが、給食など電子レンジによる再加熱ができないぐらいの大量の白飯を扱う時や
