「ついに新聞の死がやってきた」――。 最近、アメリカのメディアは、この身内の話題で盛り上がっている。インターネットの普及で新聞や雑誌の存続が危ぶまれるようになって久しいが、ここ数ヶ月で火急の問題の如く報じられているのは、あの大新聞「ニューヨーク・タイムズ」の経営破綻リスクがまことしやかに語られ始めたからである。 ニューヨーク・タイムズ危機説は、「ザ・アトランティック」誌が今年1-2月号で「ニューヨーク・タイムズの終焉」という記事を発表してから高まった。「ザ・アトランティック」は、そうそうたる執筆陣がアメリカ政府の政策やビジネスの動向を評論するインテリ雑誌。その信頼性の高いメディアが、「今年5月までに資金調達できるかどうかがで、ニューヨーク・タイムズの存続が決まる」と報じたのだ。 ニューヨーク・タイムズは、年々購読者と広告収入を失い続けている。同社の発表によると、2008年度はウィーク