1962年8月13日、アルフレッド・ヒッチコック監督は63歳の誕生日にあたるこの日から、1週間にわたるロング・インタビューを受けることになります。インタビューアーはフランソワ・トリュフォー。当時の彼は『大人は判ってくれない』『突然炎のごとく』などを発表したばかりのヌーベルバーグの新進監督でした。この二人の対談は『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』として66年に出版され(日本版が出たのはかなり遅れて81年)、世界中の若い映画ファンや映像作家のバイブル的な存在になりました。本作『ヒッチコック/トリュフォー』はこの本の成立過程を追うとともに、二人の偉大な映画監督の絆をも描き出したドキュメンタリーです。 現在でこそ“サスペンスの神様”として映画ファンからあがめられる存在になっているヒッチコックですが、じつはこの当時は“ただの大衆作家”としてしか見られてはいませんでした。その評価を一変させたのが、
この映画の原題は『REMEMBER』ですが、それを『手紙は憶えている』と邦題を付けたのは、なかなかお見事です。新人脚本家ベンジャミン・オーガストのデビュー作にあたるこの作品は、“記憶”と“手紙“という二つのモチーフによって彩られているからです。監督は『スウィート ヒアアフター』のアトム・エゴヤン。クリストファー・プラマーとマーティン・ランドーというアカデミー賞に輝くベテラン名優が共演、見事な演技を見せてくれます。 90歳になるゼヴ(プラマー)は高齢者施設暮らし。老齢による記憶の衰えで、最愛の妻ルースが先日亡くなったことも朝起きると忘れている有様でした。そんな彼に、同じ施設で暮らす車椅子生活の友人マックス(ランドー)が手紙を渡します。そこには衝撃の事実が書かれていました。70年前にアウシュヴィッツ収容所で二人の家族を殺したナチスの兵士が生き残り、身分や名前を偽ってアメリカで暮らしているという
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