レルネット主幹 三宅善信 ▼公私の区別は足許でする 明治維新以来、既に130年以上が経過し、この国における欧化は、あらゆる分野で浸透しているように見える。あるいは太平洋戦争の敗戦後急激に拡大した米化も、すでに半世紀以上に及び、この国のあらゆる面において欧米化が進んだように見える。街を行き交う人々で和服姿(着物・帯・下駄・草履といったようなものをひっくるめてという意味で)の人を見かけることは、何かのイベント(成人式や卒業式等)でもない限り、ほとんどなくなった。日本人のほとんど100パーセントが、洋服に靴姿である。そもそも、洋服という言葉が死語になっているくらい、単に「服」といえば、和服ではなく洋服を指すようにすらなっている。服装の問題はそれほど重要なテーマたり得るのであるか、今回はこの履き物の着脱に焦点を当てて、日本の文化について、考えてみたい。 明治以来、公的な場所は全て土足(靴を履いてい