要旨: SF映画や小説の世界には、とても人間らしいロボットが次々と登場する。たとえば、手塚治虫の大発明である鉄腕アトムはアニメで、感情豊かに泣いたり笑ったりしている。ロボットは本当に笑うのだろうか。実のところロボットこそ本当に笑う必要がある。今節ではどうして機械が笑う必要があるのかについて、人工知能の権威者ミンスキーの考えを参照しながら論説する。また、子どもにおける笑いの重要性についても解説する。 SF映画や小説の世界には、とても人間らしいロボットが次々と登場します。ロボットとは本来、スラブ系言語で「労働者」を意味する言葉でした。人間らしいロボットの草分けは実は日本製の鉄腕アトムだと言われています。それ以前のロボットには、人間にこき使われて支配者である人間に反抗して敵対する「機械」としてのイメージが強かったのですが、手塚治虫博士の大発明である、子どもの姿をしたこのロボットこそは、世界初の人