160キロの剛速球で知られた伊良部秀輝がロサンゼルスで亡くなった。首をつっていた姿で発見された。2011年7月28日(現地)のことだった。まだ42歳の若さ。ふるさとの日本に戻れなかった事情が絡んでいたのだろうか。 「金銭で悩んでいたとは聞いていない。生活には困っていなかったはず…」 伊良部を知る野球人はそう言った。訃報はたちまち日本球界に広まり、驚きのコメントが流れた。その多くは「球の速さ」を振り返るもので、人間伊良部に関するものは、まるで避けているかのようにほとんどなかった。 激しい性格はトラブルを度々引き起こした。腕っぷしに自信があったのだろう、グラウンドでは相手にすごむことが何度もあり、「要警戒選手」だった。マスメディアとのいさかいも度重なった。夜の街での武勇伝もあった。 日本で野球に携わりたかったが、活躍の場無く 1997年、ロッテからヤンキースに移ったときの強引な手法がのちに響い