Wikipedia 上の学術文献の参照記述の追加における持続可能性を明らかにするために時系列分析を行った.英語版全体での編集と参照記述の追加を比較した結果,両者は推移の特徴が異なり,参照記述の追加には伸び悩みが見られず近年においても一定の規模である.参照記述を追加する編集者は,2011 年以降は毎年4 月と11 月に多い点で周期的な特徴がある.参照記述を初めて追加した編集者(新規参加者) の過半数は,多くの年で1ヶ月のみ関与し,近年になるにつれてその傾向が強まっているが,近年でも一定の規模を維持している.周期的な特徴や新規参加者の規模の維持については,大学の授業を通じたWiki Education 参加者による影響が挙げられ,今後もこの活動が継続するとすれば,持続可能性は高いと考えられる.