<小学2年から大学卒業まで米国暮らし。自分が日本人なのか米国人なのか、悩み続けた> 旧東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)に勤めていた父の米国赴任について行き、現地の学校に放り込まれました。大学を卒業するまで、同年代の日本人が周囲にいませんでした。 大卒後に帰国し、ビジネス界や学界などの国際交流を促す財団法人「日本国際交流センター」で2年間勤務しました。自分が生まれた日本のことをもっと知りたいと思ったからです。その間、進路に迷って、ある大手商社の面接を受けました。でも、人事課長が「帰国子女も採ってはいるけどね……」などと消極的な口ぶりで、日本の大企業に自分のいる場所はないのかな、と感じました。 結局、米国に戻ってビジネススクールに通いましたが、「外見は日本人だから米国人になりきれないし、日本に来ると米国人と言われる。自分はいったいどちらなのか」と悩み続けました。数年たってようやく、日本人とも米