鳩山由紀夫元首相の時代に、普天間基地の移転問題がクローズアップされました。私は、その時の政治家や国民の反応を見て、日本人には「安全保障と経済活動は一体である」という視点があまりにも欠けていると感じました。 日本が戦後、奇跡的な経済成長を遂げることができたのは、日米安保体制の傘の下で、戦争や紛争に巻き込まれるリスクを負わずに済んだからです。そのおかげで日本は、国外からの脅威をまったく心配することなく、経済発展にだけ集中することができました。その経済効果は何百兆円のレベルではきかないはずです。 また、日米安保があるからこそ、日本の軍事費が少なくて済んでいることも忘れてはいけません。日本の軍事費はGDPの1%以下です。米国の軍事費はGDPの4%程度、主要先進国は2.5%程度ですから、日本は経済規模の割には軍事費が著しく少ないのです。この点でも、日本は米国から恩恵を受けていることになります。 アジ