こないだ某人物と推理モノを一緒に見る機会があった。自分は推理モノは全くの素人ではあったが、推理抜きのサスペンスは好きな方で、一方相手は推理モノを見ても流し見するタイプ。最終局面まで来て自分の理解する限りの解説を行ったが、それに対し彼女が言ったことはこうだった。「え、だってあの時写ってた通行人が殺人犯かもしれないじゃない」。件の通行人は物語に全く関わらない、ただあるシーンで数秒写っただけの存在に過ぎなかった。しかし彼女はあの人物が黒の可能性もあるというのだ。登場人物を差し置いて通行人が犯人であると。驚くべきことに物事の主軸がわからない人に決まりきったルールを提示しても無駄なのだ。可能性として通行人が通り魔的殺人犯である可能性は本当の事件においては大いに有り得るだろう。しかし推理においては一切の前提なしに犯人を捏造してはならないというルールが有る。こんなことは推理に疎い自分でもわかることだ。推