昨年の年の瀬、2021年12月18日未明、茨城県龍ケ崎市出し山町の住宅街で凄惨な事件が起きた。男女4人が刃物で刺されたのだ。しかも犯人がその場から逃走したことで、近隣一帯は騒然となった。 犯人は30歳のファン・ヴァン・クィン(同日深夜に神奈川県相模原市で警察に出頭、翌朝逮捕)。刺された28~31歳の男女4人も含めて、関係者全員がベトナム人だった。被害者のうち28歳の男性は腹部を刺される重傷を負っている。 著書『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』(KADOKAWA)をはじめ、コロナ禍のなかで困窮する在日外国人問題に切り込んでいるルポライターの安田峰俊氏が事件の現場を歩いた──。 子どもの挨拶に「コンニチハー!」 「昭和の終わりごろに火事があって、焼け跡にアパートができたんですよ。最初は近くの流通経済大の学生さんが多く入居していたんですが、建物が古くなるといなくなって。5年くらい前から、