ウィルコムに孫正義の「隠れた欲望」 また欲しがりのビョーキが出た? ライバルを押しのけて、背伸びの資金調達に出れば、市場が壊れる。 2009年12月号 BUSINESS 全国に440万人のユーザーを抱えながら経営に行き詰まり、事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きに入った唯一のPHS(簡易型携帯電話)事業会社、ウィルコムの再建がダッチロールしている。筆頭株主の米系ファンド、カーライル主導でスポンサー探しを進めているが、本誌11月号が報じたNTTコミュニケーションズ(NTTコム)への救済打診は、持株会社会長の和田紀夫氏、同社長の三浦惺氏ら労務畑中心のNTTグループ首脳の入れるところとならなかった模様だ。NTTがいったん撤退したPHSに再び進出するのは組織的にも技術的にも筋が通らないし、労務屋の論理から言えば、ウィルコムの吸収によって骨の折れるリストラに手を着けたくないからだ。竹中平蔵元総務相