中国製の模倣携帯端末「山寨機(さんさいき)」が,国境を越え,新興市場を中心にじわじわと侵食・増殖を続けている。正規品の5分の1以下と言われる価格,正規品には無い機能の搭載が売りだが,その一方で,数百人が一斉に利用できなくなるといったトラブルも報告されている。 携帯市場が飽和し,加入数の伸びが頭打ちになっている先進諸国。一方,世界の新興市場では,現在でも携帯市場の伸びが著しい。中でも中低所得者層に属するユーザーが市場の成長を牽引している。そうしたトレンドに,中国製の違法携帯端末「山寨機(さんさいき)」が一役買っているという,ショッキングな事実がある。 「山寨」とは中国語で,「山の中の砦」,ひいては「山賊」を指す言葉。政府の支配を逃れて山の中に立てこもり,民衆を襲っては金品を強奪した輩である。ここから転じて,政府の検査をパスした正規端末と異なる非正規品,特にノーブランドの模倣品を,山賊になぞら