出産時に病院が適切な処理を怠ったため仮死状態で生まれ、脳性マヒの後遺症が残ったとして、名古屋市の女児(9)と両親が、同市名東区の医療法人「東恵会」に計約1億6千万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は24日、「准看護師が分娩(ぶんべん)監視を怠った」として過失を認め、計約1億円を支払うよう命じた。同法人は控訴する方針。 永野圧彦裁判長は「別の作業に気を取られ、胎児の心拍音を注意深く聴取することがおろそかになっていた可能性が十分ある」と指摘。分娩監視義務を尽くしていれば、後遺症を防げたと判断した。 判決によると、女児は99年9月、同市の「星ケ丘マタニティ病院」で生まれた。歩行困難や知的障害などの後遺症が残っているという。 同病院の理事長は「適切に処置、手術したにもかかわらず、裁判所の判断は医療側に極めて過酷。臨床の現場を無視した判断で、納得できない」とコメントした。