昨日3月10日朝(フランス時間)、バンドデシネ界の巨匠でありメビウスの筆名でも知られる作家ジャン・ジロー氏が、癌との長い闘病生活の末、パリにて逝去されました。 ジャン・ジロー名義では写実的な西部劇『ブルーベリー』を描く一方で、メビウス名義では『アルザック』など幻想的なSF作品を生み出し、世界的なビジュアルSFブームを巻き起こしながら、バンドデシネの世界のみならずアメリカン・コミックスや日本のマンガにも多大な影響を与えました。彼がいなければ私たちのビジュアル文化はもっと貧しいものになっていたでしょう。 2009年の来日時、京都と東京で精力的にイベントをこなされる氏の姿は、まだ日本のファンの記憶に新しいところです。2010年末から2011年初頭にかけてはパリのカルティエ現代美術財団において展覧会 MOEBIUS-TRANS-FORME が開催され、日本では2010年に『アンカル』が、2011年