このところ、いろんなメディアから「格差社会批判の批判」みたいな取材が来る。「ワーキングプア」が消費しつくされたら、今度はその批判で飯を食おうということらしいが、いい加減うっとうしいので、ここでまとめて書いておく。 先日の秋葉原事件の犯人も、年収は200万円というから、韓国の一人あたりGDPぐらいで、絶対的基準でみれば「プア」とはいえない。精神異常者というのは一定の確率でいるので、こういう突出した事件を一般化することはできない。ブルーカラーの待遇は労働需給の従属変数なので、それ自体を「是正」することは無意味だ。「日雇い派遣」の禁止は、企業がアンケートに答えているように、(もっと不安定な)アルバイトに置き換わるだけである。 問題はワーキング・プアではなく、その裏側にいる中高年のノンワーキング・リッチである。私のNHKの同期は、今年あたり地方局の局長になったが、話を聞くと「死ぬほど退屈」だそ