映画興行収入はコロナ禍でどうなった 2020年、日本の映画興行収入(興収)は、たったの1,432億8,500万円だった。史上最高(2,611億8,000万円)を記録した2019年に比べ、ほぼ半減の54.9%。興収を計測しはじめた2000年以降、最低の数字である(いずれも出典:一般社団法人日本映画製作者連盟)。半減の理由は言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染拡大だ。人々の外出自粛や映画館の短縮営業・休業により、客足が激減した。 映画ライターとして、映画業界に近い場所で仕事をしている筆者の耳には、苦境にじっと耐え抜く彼らの胸の内、あるいは悲痛な叫び、そして業界の今後を不安視する声などが、絶え間なく入ってくる。 今回は「コロナ禍で映画業界は大丈夫なのか?」と題し、映画興行会社勤務のA氏、映画配給会社勤務のB氏に、おもに劇場の現状を聞いた。仮名としたのは、所属会社の原稿チェックという制約を受け