部品の量産が遅れ、ヨーロッパでの発売が急きょ延期された次世代ゲーム機「プレイステーション3」。ソニーの技術力低下の象徴なのか(林 陽一 撮影) 関係者が息をのんだ異例の親会社批判は、記者会見という公の場で飛び出した。 ソニーブランドのゲーム機部門を統括するソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は9月6日、11月に予定していた次世代ゲーム機「プレイステーション3」(PS3)の欧州での発売を、4か月も後の、2007年3月に延期すると発表した。 その席で、SCEの久多良木健社長が、こう憤懣をぶちまけた。 「(ソニーが部品供給を)やれると言ったからSCEは計画を発表した。(ソニーに)何かしら能力がないと言われれば、その通りかもしれない」 欧州での発売延期は日米のみの先行発売となり、SCEが満を持したPS3の世界同時発売が頓挫するという、プロジェクトの深刻な危機を意味する。 発売延期の原因