「泣きゲーの金字塔」と呼ばれる「CLANNAD」(クラナド)などの作品を手掛け、長年にわたり「泣きゲー」人気を牽引(けんいん)してきたシナリオライター・作曲家の麻枝准(まえだ・じゅん)さん。今後も「泣きゲー」を作り続けたいと語る。ただ、麻枝さんにとってそれは、夢や目標などではない。四半世紀前から今もなお背負い続ける「十字架」なのだという。 (上)追いかけて追いかけて 一番感動できるゲームこそ「人生」だ平成12年発売の「AIR」は大きな話題を呼んだものの、麻枝さんの中では「鋭り過ぎた作品を作ってしまった」という思いが内心残った。「『泣きゲー』のコツを学んだ」という麻枝さんは、16年に「もう少し一般ユーザーに寄せた作品」を発表する。「泣きゲーの金字塔」として日本ゲーム史に名を刻む「CLANNAD」だ。 美少女ゲームは通例、ヒロインとの交際開始をもってエンディングを迎える。だが、同作は全く違って