菅義偉新政権が始動した。コロナ禍からの脱却に向け、デジタル変革(DX)の推進や中小企業の生産性向上などを目玉に据える。景気の二番底への懸念が囁(ささや)かれる中、日本経済を回復軌道に復帰させるには民間の力を最大限に引き出す政策が欠かせない。 シャープの「中小企業化計画」で思い出す…中小企業の「定義」とは? 菅首相が中小企業政策の中核をなす中小企業基本法の見直しに言及、中小企業政策のあり方はより一層、再編・成長志向へと歩を進めそうだ。 日本の産業を支える中小企業は約358万社で全体の99・7%を占め、全体の約7割に当たる約3200万人の雇用を担っている。この数字は基本法の定義によるもので、同法は資本金または従業員数の要件で中小企業を定めている。例えば製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下となっている。 中小企業の中には、中堅企業となる実力があるにもかかわらず、あえて中小にとどまる企