この本は元大王製紙社長の井川さんが書いた2作目の自伝である。 1作目は大企業の跡継ぎとして育てられた井川さんが父から帝王学を叩き込まれ、見事に成功した後、ギャンブルにハマって刑務所に打ち込まれるまでを書いたもので、2作目であるこの本は”その後”を書いたものだ。 一般的にギャンブルは確率論でもって「絶対に胴元には勝てない」という事が説明される。 賭けを主催する胴元が予めギャンブル前にテラ銭として運営費用を徴収するが故に、ギャンブルの期待値は確率上、絶対に元手を超えない。 だから中学生程度の数学の知識があればギャンブルで儲けられるだなんて嘘だというのは理解できるはずだ。 はずなのだが…この本の著者である井川さんは東京大学を卒業した超絶エリートである。 そのエリートが本書の中で、真顔になって「ギャンブル」を「ツキの流れを読めば勝てる」と滔々と語る姿はある意味異様である。 更にである。井川さんは刑