救出作戦の成功の最大のカギとなったのは、作業員の連帯感といえる。 13日未明には地上との交信で、「みんな一緒に困難に立ち向かってきた家族だ」という作業員の声が聞かれた。高温多湿の劣悪な環境の下で、作業員は地上の医師や心理学者らの指示に従って規律正しい生活を送り、ビデオカメラを通じた地上の家族との会話や手紙のやりとりなどを心の支えに、地底生活を耐え抜いた。 リーダー格だったルイス・ウルスアさん(54)の存在も大きい。8月5日の事故発生で外との連絡が途絶えたことを知ると、避難所に備蓄していたツナ缶やビスケットなどの食料を2日置きに食べる節約ルールを提案。17日後の同22日に地上から掘られた細い穴を通じて生存を伝えるまで、全員が生きのびられたのは、節約ルールによって食料を切らさなかったからだ。 地上と連絡ができるようになると、作業員らはそれぞれの役割を決め、11人ずつ三つのグループに分かれて物資